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2025年10月22日
起業とは?手順や資金調達方法、失敗を回避するポイントを解説

「いつか起業してみたい」「自分のビジネスを立ち上げたい」。そんな思いを抱きながらも、何から始めればいいのかわからず一歩を踏み出せない方は少なくないでしょう。
資金はどれくらい必要なのか、手続きは複雑なのか、失敗したらどうなるのか…。不安や疑問が次々と浮かんでくるのは当然のことです。
しかし、起業は正しい知識と準備があれば決して不可能なものではありません。この記事では、起業のための基礎から具体的な手順、資金調達の方法、失敗を避けるポイントまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。起業を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
そもそも起業とは何か
起業とは、新しく事業を立ち上げて経営者として活動することを指します。会社員として働くのではなく、自分自身がビジネスのオーナーとなり、商品やサービスを提供して収益を得る働き方です。
起業の3つの形態と特徴
起業には大きく分けて3つの形態があります。それぞれの特徴を理解した上で、自分に合った方法を選びましょう。
個人事業主としての開業
まず最も手軽に始められるのが個人事業主としての起業です。開業届を税務署に提出するだけで事業を開始でき、初期費用もほとんどかかりません。フリーランスとして活動する方の多くがこの形態を選んでいます。
法人の設 立
次に、株式会社や合同会社といった法人を設立する方法です。法人化することで社会的な信用が高まり、大きな取引や資金調達がしやすくなります。ただし設立には登記費用や資本金がかかり、会計処理も複雑になります。
フランチャイズでの起業
3つ目がフランチャイズとして起業する方法です。すでに成功しているビジネスモデルを活用できるため、未経験でも比較的安全に事業を始められます。ただし加盟金やロイヤリティなどの支払いが必要です。
起業に向いている人の特徴
起業に成功する人には共通する特徴があります。
主体性がある
まず、自分で考えて行動できる主体性です。会社員のように指示を待つのではなく、自ら課題を見つけて解決していく力が求められます。
チャレンジ精神がある
失敗を恐れずチャレンジできる姿勢も大切です。ビジネスのすべてが計画通りに進むことはまずありません。想定外のトラブルにも柔軟に対応し、失敗から学んで改善できる人が成功します。
顧客目線で物事を考えられる
当然ではありますが、顧客目線で物事を考えられることも起業に向いている人の特徴です。自分が提供したいものではなく、お客様が本当に必要としているものを見極める視点が、ビジネスの成否を分けます。
起業のメリット
起業の最大のメリットは、自分の裁量で仕事を進められることです。働く時間や場所、事業の方向性まで、すべて自分で決定できます。成功すれば収入に上限がなく、会社員時代の何倍もの収益を得られる可能性もあります。
起業のデメリット
一方でデメリットも存在します。収入が不安定になるリスクは覚悟しなければなりません。特に起業直後は売上が立たず、貯金を取り崩しながら事業を続けることもあります。
また、すべての責任を自分で負うことになります。経営判断のミスや顧客とのトラブル、資金繰りの問題など、どんな困難も自分自身で乗り越えなければなりません。
起業準備を成功させるための5つのステップ

起業を成功させるには、綿密な準備が欠かせません。思いつきで始めるのではなく、段階を踏んで進めることでリスクを最小限に抑えられます。
起業アイデアの見つけ方
まず、どんな事業で起業するかを決める必要があります。自分のスキルや経験を棚卸しして、それを必要としている人がいるかマーケットを調べましょう。
例えば、営業経験が豊富なら営業代行サービス、デザインスキルがあればWeb制作事業といった具合です。自分の強みと市場のニーズが重なる部分に、ビジネスチャンスがあります。
また、日常生活の中で感じる不便さや不満も、優れたビジネスアイデアの源泉です。多くの人が困っていることを解決するサービスは、確実に需要があるでしょう。
事業計画を作る
アイデアが固まったら、次に具体的な事業計画に落とし込みます。誰に、何を、どのように提供するのか。価格設定はいくらにするのか。初年度の売上目標はどれくらいか。
これらを文書化したものが事業計画書です。融資を受ける際にも必要になりますが、それ以上に自分自身の頭の中を整理する効果があります。
事業計画書には、事業の概要、市場分析、競合分析、販売戦略、収支計画などを盛り込みます。最初から完璧なものを作る必要はなく、事業を進めながら随時修正していけば問題ありません。
資金計画を立てる
起業には必ずお金がかかります。どれくらいの資金が必要で、それをどう調達するのか計画を立てましょう。
まず初期費用を算出します。店舗を借りるなら敷金や内装費、商品を仕入れるなら仕入れ代金、Webサービスなら開発費用などです。さらに、売上が立つまでの生活費や運転資金も確保する必要があります。
自己資金だけで足りない場合は、日本政策金融公庫の創業融資や、地方自治体の制度融資を検討します。また、返済不要な補助金や助成金の活用も効果的です。
開業手続きを行う
事業を始めるには、法的な手続きが必要です。個人事業主として始める場合は、税務署に開業届を提出します。青色申告承認申請書も同時に提出すると、税制上の優遇を受けられます。
法人を設立する場合は、定款の作成、公証人の認証、法務局での登記といった手続きが必要です。自分で行うこともできますが、司法書士に依頼するとスムーズです。
また、事業内容によっては許認可が必要な場合があります。飲食店なら食品衛生責任者、美容室なら美容師免許といった具合です。事前に確認しておきましょう。
集客の仕組みを作る
どんなに優れた商品やサービスでも、 お客様に知ってもらえなければ売れません。開業前から集客の準備を始めることが重要です。
今の時代、WebサイトやSNSでの情報発信は必須です。Instagram、X、Facebookなど、ターゲット層が利用しているプラットフォームで発信しましょう。
また、知人や友人への声かけも効果的です。最初の顧客は身近な人からという場合が多く、そこから口コミで認知が広がっていくこともあります。
起業に必要な費用と調達方法
起業において資金は生命線です。どれくらい必要で、どう調達するのか、具体的に見ていきましょう。
起業に必要な資金の目安
必要な資金は業種によって大きく異なります。Webサービスやコンサルティングなど、在庫を持たないビジネスなら数十万円から始められ、パソコン、ソフトウェア、Webサイトの制作費用などが主な初期投資です。
一方、飲食店や小売店など店舗を持つビジネスは、数百万円から1000万円以上かかることもあります。物件取得費、内装工事費、設備費、仕入れ代金などが必要です。
さらに、売上が立つまでの生活費や運転資金も確保しておく必要があります。最低でも6ヶ月分、できれば1年分の生活費を用意しておくと安心でしょう。
自己資金を準備する
理想を言えば、必要資金の3分の1から半分は自己資金で用意したいところです。融資を受ける際も、自己資金が多いほど審査に通りやすくなります。
起業を決めたら、計画的に貯金を始めましょう。無駄な支出を削り、副業で収入を増やすなど、できることから始めます。
ただし、自己資金が貯まるまで待っていると、タイミングを逃すこともあります。融資制度をうまく活用することで、少ない自己資金でもスタートできます。
融資制度を活用する
日本政策金融公庫の創業融資は、起業する人向けの代表的な制度です。無担保・無保証で最大7200万円まで借りられ、金利も比較的低めに設定されています。
審査では事業計画書の内容が重視されます。事業の実現可能性、返済能力、経営者の熱意などが評価されると同時に、自己資金も審査の重要なポイントです。
また、各地方自治体も独自の融資制度を用意しています。信用保証協会の保証付きで銀行から借りる制度融資は、公庫と併用できる場合もあります。
補助金・助成金を活用する
返済不要な補助金や助成金も積極的に活用しましょう。ただし、原則として後払いであり、先に自分で支払った費用の一部が戻ってくる仕組みです。
例えば、小 規模事業者持続化補助金は、販路開拓や生産性向上の取り組みに対して最大250万円が支給され、Webサイト制作や広告宣伝費などに使えます。
ものづくり補助金は、設備投資に対する支援で最大4000万円が支給される場合もあります。申請には事業計画書の提出が必要で、審査があります。
起業によくある失敗パターンと対策

起業の失敗率は決して低くありません。しかし、失敗のパターンを知り対策を講じることで、リスクを大幅に減らせます。
資金切れによる失敗
最も多いと言われる失敗の原因が資金切れです。売上が思うように伸びず、運転資金が底をついて廃業するケースです。
これを防ぐには、余裕を持った資金計画が必要です。売上予測は楽観的になりがちなので、予測の半分しか売れなくても1年以上は事業を続けられる資金を確保しましょう。
また、初期投資を抑える工夫も重要です。いきなり大きなオフィスを借りず、自宅やシェアオフィスからスタートする。高額な設備は中古やリースを検討するなど、できるだけ固定費を抑えます。
需要の読み違いによる失敗
自分が提供したいものと、市場が求めているものがズレているケースです。こだわりの商品を作ったのに、誰も買ってくれないという状況が代表的なパターンでしょう。
これを防ぐには、事前の市場調査が不可欠です。SNSでアンケートを取る、試作品を知人に使ってもらう、同業者の成功事例を研究するなど、需要を確認してから本格的に投資しましょう。
また、小さく始めて反応を見ながら拡大していく姿勢も大切です。最初から完璧を目指さず、顧客の声を聞きながら改善していきます。
孤独による失敗
起業すると、すべての判断を自分一人で行わなければなりません。相談相手がいないと、誤った判断をしたり、精神的に追い込まれたりします。
対策には、メンターや相談相手を見つけることが重要です。商工会議所や創業支援センターでは、無料で専門家に相談できます。同じく起業した仲間とコミュニティを作ることも、情報交換や励まし合いの面で効果的でしょう。起業家向けのセミナーや勉強会に参加することで、ネットワークが広がり、貴重なアドバイスも得られます。
起業後に事業を軌道に乗せるために

起業はゴールではなくスタートです。事業を継続し成長させるために必要なポイントを押さえましょう。
集客とマーケティング
どんなに良い商品やサービスでも、知ってもらえなければ売れません。継続的な集客活動が必要です。
現代ではSNSマーケティングが効果的です。InstagramやX、YouTubeなどで有益な情報を発信し続けることで、ファンが増えていきます。広告費をかけずに集客できるのも魅力でしょう。
また、既存顧客を大切にすることも重要です。新規顧客を獲得するコストは、既存顧客に再購入してもらうコストの5倍以上とも言われます。丁寧なアフターフォローで、リピーターを増やしましょう。
金銭の管理
お金の管理は事業の基本です。売上と経費をしっかり記録し、今どれだけ利益が出ているのか常に把握する必要があります。
会計ソフトを導入すれば、簿記の知識がなくても帳簿をつけられます。freeeやマネーフォワードなど、クラウド型のサービスが便利でしょう。
税理士に依頼すれば、確定申告や節税のアドバイスも受けられます。月額数万円のコストはかかりますが、本業に集中できるメリットは大きいでしょう。
起業は正しい準備で成功率が上げられる
起業は決して特別な人だけが行うことではありません。正しい知識を持ち、しっかりと準備をすれば、誰でも挑戦できます。
重要なのは、自分の強みを活かせる分野で、市場のニーズに応えるビジネスを構築することです。そして、十分な資金計画を立て、小さく始めて着実に成長させていく姿勢が成功への近道です。
一人で悩まず、専門家のアドバイスを受けることも大切です。その際は、ぜひみんなの創業ゼミも検討してください。
あなたの起業の夢を、現実的なものに変えるために、まずは情報収集から始めてみませんか。正しい知識と準備があれば、きっと起業を成功させられるでしょう。
